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No.145接待飲食費 金額基準引き上げ

2024.03.27

接待飲食費 金額基準引き上げ

<令和6年度税制改正大綱>
交際費等の損金不算入制度について、交際費等の範囲から除外される飲食費の金額基準の引上げ(1人当たり1万円以下)と、接待飲食費の50%損金算入特例と中小企業の定額控除限度額(年800万円)の特例の適用期限を令和9年3月31日まで3年延長することが示されている。

飲食費の金額基準の引上げについては、 1人当たり5,000円から1万円に見直しが行われる予定となっている。
飲食費の定義や飲食のあった年月日、参加人数等の一定の事項を記載した書類の保存が適用要件であることは、現行の制度と同様とのことです。

飲食費の金額基準の引上げは、飲食料費に係るデフレマインドを払拭する観点等から実施されるため、早期に効果が得られるよう法人の事業年度を基礎とした適用関係ではなく、本年4月1日以後に支出する飲食費に適用することになっている。
つまり、飲食費の支出ベースで改正後の「1万円基準」が適用される。税制改正は令和〇年4月1日以後開始事業年度より適用というような事業年度ベースで適用されることが多いため注意が必要となる。

当改正と事業年度が一致している3月決算法人以外は、事業年度の中途で金額基準の変更が行われる。例えば、12月決算(R6年1月1日~12月31日)の場合、R6年1月~3月までの支払分は改正前の5,000円基準、R6年4月~12月までの支払分は改正後の1万円基準が適用されることになる。
損金算入するものが漏れないよう社内規定の変更や社内への周知徹底、管理方法の検討等が必要であると考えます。

当改正は、デフレマインドを払拭する目的で飲食費の金額基準の引上げが行われたとのことですが、個人的には少額の減価償却資産(取得価額10万円未満)や中小企業等の少額減価償却資産の特例(取得価額30万円未満)についても金額の引上げをしてほしいです。最近の物価高騰の影響もあってか一定の金額を超えてしまい、資産計上することが多くなっているような気がしますので、是非検討してほしいものです。

また、改正の効果が早期に得られるよう支出ベースでの改正となりましたが、社内規定や管理方法の変更等の事務的な手間を考えると、処理する側としてはやはり事業年度ベースでの改正が好ましいと考えます。

当改正による金額基準の引上げにより一部のクライアントからはある程度損金算入する金額が増えるのではとの話を聞いております。社内での管理方法等を徹底し、損金算入するものが漏れないようにしましょう。