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No.20夜の店で考える・・・労働の需給、そしてAI

2018.04.30

夜の店で考える・・・労働の需給、そしてAI

 先日、高校の友人2人と久しぶりに飲みに行った時の話です。
 1件目のお店は居酒屋で、2件目は女性とお酒を飲みお話をする場所に決まりました。時間も遅かったので自分は帰ろうと思っていましたが、2人の友人は何回も行っているらしく、良いところだから!と連れて行かれました。
 そのお店は、若い子から見れば少し年配(30代~40代)の女性たちが中心で50代の方も居るとのこと。深夜11時を回りかけた時間でもお店の中はお客さんがいっぱいで大変繁盛していた為、お店の前で少し待たされる事となりました。
 聞けば、この店の経営者がまだ20代で、女性だけでなくボーイや呼び込みなどの中年の男性も雇い入れて何店舗か運営しているそうで、どんな業界でも才能がある人がいるのだと感心しました。

 また、この経営形態は結果的にそうなったのかは分かりませんが、日本の高齢化という社会問題を逆手に取ったやり方で、「需要と供給」のバランスが取れているように感じました。
 具体的に言うと、20代のまだ社会経験が短いであろう若い女性と話すには会話が弾まず、少し年配の女性とお酒を飲みながら話をしたいと思っている中年男性以降(客層)の需要を見込んでいる。
 その一方で、若い子が多い職場では浮いてしまうが、同年代が多い職場で安心して労働を継続し、その対価を得るという女性の欲求も満たしている。
 新しいフレームを構築し提供することで、双方の欲求をどちらも満たすことが出来、経営を継続的に行う事が出来るという経済理論的にも叶っているのだと思われます。

 我々労働者の多くは、自分で仕事や職業を創造することは難しく、大抵はどこかの会社やグループに所属することで労働しています。でも、躍進的な起業家が、新しい形の物やサービスを構築し市場へ提供することで、また新しい職場が生まれ、新しい職種が増える可能性があり、それをもっと伸ばすことで、現代の行き詰った経済状態を変えてくれるかもしれません。(良いことだけを書きましたが、それによって消滅する職業も少なからずあるかも・・)

 また、世の中には人と話すことが苦手だけれど事務処理の仕事は得意だという人もいれば、体を動かすような肉体労働の仕事が得意だという人もいます。自分の特性や性格等を考え、努力次第で自分に合った職業及び働き方を選択できるようになった現代社会は大変幸せなことだと思います。
 (生まれた家庭環境によって経済的な格差は増加しており、個々の努力の度合いが違っていたり、努力だけではどうにもならない場合もあると思いますが、江戸時代の士農工商制度よりは明るいかも・・)

 しかし、最近AⅠの技術が発達し、将来AⅠに仕事を奪われる業種が多くなると言われています。会計や税務の仕事もかなりの確率でAⅠにとって代わられると言われています。
 この店で働く人は、初めて来店したお客さんと自然に打ち解け、また来店したいと思って帰って頂くことが仕事です。それがプロの接客業だとすると、この仕事はそう簡単にAⅠに取って代わられることはないように思われます。
 それは、本来、人が求めるコミュニケーションの相手は、ロボットの形をしたAⅠではなく、やはり人間だと思うからです。(少なくとも自分が生きている間ぐらいは。その先の未来は正直分かりません)
 ゆえに、今後、仕事の一部がAⅠに取って代わられたとしても、人間同士の多様なコミュニケーションを大事にすることで仕事を続けていけたらと思っています。

 お財布がちょっと寂しくなりましたが、多様な方向から物事を考えられた大変有意義な夜でした。