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No.140百射に挑む

2023.12.27

百射に挑む

孔子「礼記射義」より
「射者、仁之道也。求正諸己。己正而後發。發而不中、則不怨勝己者、反求諸己而己矣。」
<射は仁の道なり。射は正しき己に求む。己正しくして而(しこう)して後発す。発して中(あた)らざる時は、則ち己に勝つ者を怨みず。反ってこれを己に求むるのみ。>

運動不足解消を試み、気軽に始めた弓道。しかし、奥は深った。射法や道場での礼儀作法、道具の取り扱いなど覚えることが沢山あった。弓を引けばとんでもない方向に矢が飛び、落ち、折れ、先生の教え通りにやろうとする脳と、教え通りできない身体とがちぐはぐで葛藤し、心身一体化しないもどかしさに心が折れそうになることもあった。

そうこうして1年半。ようやく少々の自身がついてきた冬晴れのとある日、百射会に参加した。
百射会とは、その名の通り、1人が1日に100本の矢を射続けるイベントである。
自分の限界に挑戦し、集中力と技術を試し、的中率(矢が的に中る率)を競う。

早朝、勇士(笑)十数名が道場に集合。
開会式の後、順番に、射る、看的(中り外れを報告)する、控えで待つ、と交替しながら進行していく。道場には、弦音、看的の声が響き、ホワイトボードには〇、✕と書き込まれていく。
約8時間後。1人の脱落者もなく無事に閉会した。

冒頭の「礼記射義」は、弓道への向き合い方を説いている。
矢が的に中ることだけに固執しない。的中率で人と自分とを比べない。正しい方法を自分に求めるのみ、という。

100も射れば、ボードに書き込まれた的中率は一目瞭然である。
自分が何位とかは関係ない。清く正しく美しく弓を引けたか、自分に問うのみである。

参加するにあたって自分なりに立てていた目標3つはクリアできた。
驚いたのは、70歳台の参加者が5,6名おり、皆さん最後まで弓を引くお元気があったことだ!その体力と精神力に脱帽である。

今後も毎年参加を目標に、日々の稽古に励みたい。